フリーランスSE転向の落とし穴:SES企業の勧誘に要注意

近年、正社員からフリーランスSEへの転向を勧めるSES企業や人材派遣会社が増加している。しかし、この転向には慎重な検討が必要だ。

 

これらの企業は、エンジニア(時に経験の浅い人材も含む)を求人企業に紹介することで収益を得ている。当初は丁寧な対応を見せるが、エンジニアの就業後は関与が薄れ、就業先での問題に対して責任を負わないケースが報告されている。担当営業の退職などで、サポート体制が崩れることもある。確かに、20代30代若手エンジニアにとっては、フリーランス化で一時的に年収が上昇する可能性があるが、40代以降は良質な案件が減少する傾向にある。

 

組織を離れてフリーランスへの転向は自己責任が伴う決断。短期的な利益だけでなく、将来のキャリアパスも考慮すべきである。

 

【気を付けたほうがSES,派遣業者の特徴】

(1)高額報酬の誘惑:

フリーランスSEに対して「月収100万円以上可能」「現年収の2倍可能」などの高額報酬を提示する業者には注意が必要。実際の案件や市場相場と大きく乖離している可能性が高い。

(2)契約内容の不明確さ:

責任範囲や報酬支払いの条件が明確に記載されていない契約書を提示する業者には警戒すべき。これは後々のトラブルの元となる可能性がある。

(3)前払い手数料の要求:

「研修費用」や「システム利用料」の名目で前払いを要求する業者は避けるべき。正当な仲介業者はこのような要求をすることはない。

(4)スキルや経験を問わない募集

「未経験者大歓迎」「誰でも高収入」などと謳う求人には注意が必要。実際の仕事内容や報酬が誇張されている可能性が高く、多くの場合、厳しい条件の仕事である傾向がある。

(5)会社の実態が不明瞭

オフィスの住所が不明確、または存在しない場所にあるなど、会社の実態が不透明な場合は要注意。これは信頼性の欠如を示唆している。