IT化とDXの本質:コンサルタント依存の限界

IT化とDXは、どちらもデジタル技術を活用する点で共通しているが、その目的は大きく異なる。IT化は既存の業務をデジタル化することに焦点を当てるのに対し、DXはデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルや価値を創造することを目指す。

 

しかし、どちらの取り組みも、対象となる業務を深く理解していなければ進めることはできない。ここで疑問が生じる。転職市場で目にする「ITコンサルタント」や「DXコンサルタント」は、支援先の企業の業務を本当に理解しているのだろうか。もし理解していない場合、プロジェクト開始後にどれほどのスピードで業務を把握できるのか。

 

さらに、コンサルタントを雇う側の企業にも課題がある。「ITコンサルタント」の役割を明確に定義したジョブディスクリプションを用意しているだろうか。自社の業務を短時間で正確に伝えることは可能だろうか。これらの点が曖昧なままでは、コンサルタントの力を最大限に活かすことは難しい。

 

特に「DXコンサルタント」の場合、新たなビジネスモデルや価値の創造が求められる。確かに、特定の業種に深く関わってきたコンサルタントであれば、その業界における新たなビジネスモデルの創出に貢献できるかもしれない。しかし、そのような価値創出を社外のコンサルタントに依存し続けることは、自社の持続可能な成長につながらない。

 

真のDXを実現するためには、自社の人間が主体となって新しい価値を生み出すことが不可欠だ。